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遙かなるヌシ
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同封されていた、書き掛けの木水の手紙はこのように記されていた。
前略
竜也君、相変わらず野鯉釣りに励んでいるようじゃな。
梅雨入りしてからというもの、最近の儂は持病が疼き、あまり出掛けていないのじゃが、換わりに今までの儂の野鯉釣りを纏めている。
ようやく、それが完成したので、君に送ろうと思う。
【野鯉遊楽帳】と名付けたが、その心は楽しむことにある。
『仏造って魂入れず』という言葉があり、昔それで一度失敗したことがあるが、竜也君にはその轍は踏んで貰いたくなくて、序章として最初に心得の章を記した。
竜也君の最高の長所は、その素直さにある。
そこには、全てを受け入れる度量の大きさがある。
広く知識を吸収し、多くの経験を積むことにより、それを理解して小さく纏ること無く、大きく育って欲しいと願うものである。
そして、そこで得たものは己れ独りのものとするのでは無く、広く多くの人に伝えて欲しい。
どんな優れたアイデアや技術だと思っていても、広く多くの人に検証されて初めて有用なものとなる。
また、広く公開することにより、良い物は残り、悪いものは淘汰される。
そうして、発展がある。
出来れば、その恩恵をただ享受する立場ではなく、授与する者に育って欲しいと願っている。
【野鯉遊楽帳】が、その一助になれば幸いである。
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今日は、久しぶりに晴れ間がのぞいている。こんな日は大物の期待が持てる。
久しぶりに出掛けて見ようと思う。
結果は、この続きにお知らせしよう。
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